岐路灯

【解説】河南宝豊県の人李海観(17071790)によって乾隆年間に書かれた章回小説。17778月の、作者の自序をもつ。河南祥符県の読書人譚紹聞が、父親の死後、無能な家庭教師たちのせいで、勉強が進まず、賭博好きの友人や、凶悪な劇団長、偽錬金術師など、様々な悪者たちの食い物にされたために、破産に陥るが、義僕王中の援助や、族兄譚紹衣の引き立てなどによって勉強に励み、やがて副榜貢生に合格、倭寇征伐に功績をあげ、県知事となる、最後には息子簣初が進士に合格、息子の華燭の典の描写で小説の幕が下りる、という筋書きをもつ。物語の骨組みは月並みだが、譚紹聞と、彼を取り巻く悪友たちの描写は細かく、狡っ辛い夏逢若、何をするにも豪儀な盛希僑をはじめ、個性的な人物造形に成功している。また、端役にも忘れがたい印象を残す人物が多い。清代には抄本の形で流布し、民国25年にいたって、上海明善堂から排印本が出た。人民中国になってからは、1980年に、中州書画社から欒星校本が出版されており、本訳注もこれによった。

数字をクリックすると、その回の訳注が見られます。

         10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108

 

最終更新日:2010114

中国文学

トップページ

 

inserted by FC2 system