巻七

張龍図

龍図張公�Z[1]は、枢密直学士[2]奎[3]の子であった。枢直殿中丞をしていた時、奉朝請[4]のために、京師におり、汴河の南の小巷に家を借り、住居はつねに鎖されていた。ある日、ある人がすこぶる急に門を叩き、大声で叫んだ。「小師[5]が入っていったのに、どうして出さない。」張が起きてみると、老いた道士であった。かれが狂いかつ酔っていることを疑い、それ以上かれと争わず、しばらくすると去った。邑君はさきに妊娠していたが、その晩、�Zを生み、�Zは景祐元年に進士甲科に及第した。後にかつてあやまって犬肉を食らい、夢みると黄衣使者に捕らえられて役所にいったが、壮麗で宮闕のようであり、道士が言った。「なぜ厭わしい物を食らった。」張はみずから弁明し、述べた。「わざと食らおうとしたのではございません。誤っただけでございます。」道士は言った。「それならば、ひとまずこちらにとどまれ。わたしが言ってやろう。」まもなくまた出ると、張に言った。「恩に謝するとよい。」そしてある殿舎の前に引いてゆき、取り次いだ。「張�Zはあやまって厭わしい物を食らいました。」感謝再拝して気がつくと、汗は流れ、体を潤していった。景元は神骨は清らか、襟懐は大らかで、もしや仙人の流罪にされたものではないか。張容省元が言うのを聞いた。

孫副枢[6]

宝元[7]年間、副枢の孫公沔[8]は、小諌[9]から諌言したことによって左遷され、永州[10]の市征[11]を監督していた。かつて夢みると、一人の道士が復任の期を教え、さらに言った。「わたしはいささかの田を部下[12]に持っていたが、人に盗まれたから、正してくれるとよい。」まもなく孫は長沙の副官に転任し、岳廟を祭り、あまねく道観仏寺に遊んだ。九仙観[13]にゆき、王真人[14]の像を見ると、夢の中で見たものとよく似ていた。その公金の歳入を尋ねれば、言った。「田数百畝がございましたが、近隣の有力者に侵されました。」そして県に令状を送って追究させ、すべてもとの田を取って返させた。観は梁の天監[15]年間に建てられたもので、後に廃され、唐の刺史張覿[16]がさらに造営を加えていた。庭に磐石があり、壇のようで、上に三十人が坐せた。九仙は、いずれもその地で登仙した。晋の道士陳興明、施存、尹道全[17]、宋の徐霊期[18]、斉の陳恵度[19]、張曇要[20]、梁張始珍[21]、王霊輿[22]、�ｹ郁之[23]であった。建昌[24]の李覯[25]が祭文を書き[26]、章岷[27]が石に字を書いた。

芙蓉観主

慶暦[28]年間、ある朝士[29]が早朝に起居[30]に赴き、通衢にゆき、美人三十余人を見たが、艶やかに装い、二人ずつ馬を並べてゆき、先導しているかのようであった。まもなく丁観文[31]度[32]が徒党を擁し、轡をおさえ、それについて去った。朝士は驚いた。「丁は平素倹約なのに、なんと侍妾が多いことか。」一人の男が一番後ろを歩いていたので、朝士は尋ねた。「観文さまとご家族はどちらに遊ばれるのです。」「そうではない。女御たちが芙蓉館主を迎えるだけだ。」時に丁はすでに休暇中で[33]、まもなく丁が亡くなったことを聞いた。辛都官[34]子言[35]がいった。

曽屯田

屯田外郎[36]曽公奉先[37]は、嘉祐[38]年間、恵州[39]を治めていた。太守の家には菜園があり、老卒に守らせていたが、水を遣り、種を蒔き、もっともまめまめしかった。およそ曽が所望するものは、かならず先に持ってきた。そこで、呼んで尋ねた。「おまえがつねにわたしの意向を予知するのは、どうしてか。」老卒は言った。「偶然でございます。」再三質したが、いい加減に返事するばかりであった。曽はそれからかれをよく待遇し、しばしば酒食を与えた。ある日の薄暮、老卒が曽に申して言った。「ご厚顧を受けました。わたしは碌碌たるものでございません。今夜の三鼓、使君が園内に来てくだされば、秘術をお聞かせいたしましょう。」曽は欣然として許諾した。時間になると、官服を整え、ゆこうとした。家人はみな言った。「夜半に官服を着け、一人の老卒に目通りする郡守がどこにいましょう。」そこで急遽やめにした。夜明けになると、園丁が物故したこと、さらに腰から[40]白金数千両を得たことが報された。曽は悲嘆してやまず、棺を買い、野に仮埋葬した。数ヶ月して、人が広州から来たが、園丁が手紙を寄こしてお礼しているのであった。かれの墓を見ると、四周が陥没し、柩はすべて暴露していた。開くと、縕袍[41]と頭巾、屨(あさぐつ)があるばかりであった。曽は屍解したのだと思い、後悔し、みずからを咎めて月を重ね、すこぶる気が狂った。

郭上竈

郭上竈は、どこの人か分からない。天禧[42]年間、かつて湯を沸かし、器を濯ぐために州橋[43]の茶屋で雇われていた。ある日、青巾布袍で茶を啜るものがおり、容貌は魁偉、神彩は凛然としていたが、しばしば郭を見ていた。郭もかれが異人であることを疑ったので、さらにひそかに窺うと、袖から利剣を引き出した。郭はひそかに思った。「きっと呂先生[44]だ。」かれが出るのを伺い、すぐに走り、前で拝して言った。「先生におあいし、しもべとなることを願います。」呂は振り返らず、東へ去った。郭はそこで後をつけ、静かなところにいった。呂は振り向いた。「本当にわたしに仕えようとするか。わたしの剣を受けるがよい。」郭は唯唯として、頚を延ばして待った。すると剣を引いて撃とうとしたので、郭が大声で叫ぶと、すでに呂は所在を失い、百万倉[45]の中にいた。巡卒はかれを捕らえ、お上に送り、杖で打って去らせた。それから京城の内外の幽静なところにはかならずゆき、人に会えばかならずじっくり見、しばらくするとはじめて去った。尋ねると、言った。「先生を探しているのだ。」それから十年あまり、所在は分からなかった。天聖末年、趙長官というものが、磁州県城鎮の別荘に住んでいた。すると突然、乞食が縕袍を着てき、趙を見ると再拝して言った。「わたしは郭上竈です。」趙もかれを知っていたので、尋ねた。「先生に会ったか。」郭は言った。「天下を巡っても会わず、今は命が尽きようとしていますので、小さい棺を求め、遺骸を収めに来ました。」趙は大嘘だと思い、尋ねた。「いつ尽きるのだ。」「明日の午の刻でございます。」趙は言った。「それなら、おまえのために棺を買うべきだ。」するとさらに告げた。「棺の頭に一つの穴を開け、一本の竹竿を、その節を抜き、穴に挿せば、気を通じられましょう。」趙はそれに従ったが、まったくそう思っていなかった。翌日の午の刻、水を汲み、身を洗い、槐の下に臥し、絶命した。趙はたいへん驚き、棺を作ってやった。河朔[46]は竹が乏しかったので、古い傘の柄をとり、その中を貫き、棺の頭に挿し、河岸に埋めた。さらに狐や犬に発かれるのを恐れ、棘を植え、石を重ねて固めた。その年の秋、大雨が降り、河水が漲り、数日して退いた。趙はその柩が水に流されることを心配し、杖をついて望み見ると、その棺はほんとうに露わになって四面も開き、杖でつつくと、腐った絮(わた)があるばかりで、やはり屍解していた。趙はかつて亡父にこのように言った。

牛用之

道士牛用之は、真定[47]の人で、幼くして常鉄冠に仕えていた。常鉄冠は、邢州[48]の人で、道術を知っており、祥符[49]年間に召見せられた。後に泰山に隠れ、さらに天台に遊び、すこぶる考召[50]符禁の術を心得ていた。余杭から姑蘇に遊び、落魄して礼儀に拘らず、酒を飲むことを好み、胡蒜(ニンニク)や犬肉を食らった。かれは道術を知っていると伝えるものがいたが、人々は信じなかった。慶暦年間、薛公純中舎[51]が蘇州の市征を掌管し、家の外で一人の官妓を寵愛していた。かれの妻李氏は嫉妬深い性格＝たので、怒りに堪えず、夫を謀殺することにした。薛が酔って帰るのを待ち、刃でその急所を傷つけようとしたが、家人はかれを救って免れさせた。たまたま李の父母が姑蘇を通り、それを聞き、その弟に薬を持たせ、飲ませ[52]、死なせた。その晩すぐに、薛氏に祟りをなし、戸と窓を打ち、器皿を砕き、ある時はその燈燭を消し、ある時は堂廡で嘯いた。そこで巫覡[53]を召し、祓ったが、除けなかったので、やむをえず牛に告げた。すると言った。「これは細事だから、今晩除けよう。」そして酒食を母屋に設け、数人の客を召し、ともに飲んだ。晩になると、牛は一つの案(つくえ)を側桁の下に設け、上に銅鐸を置いた。乙夜になるとすぐ、鐸が鳴り、案(つくえ)の足にそって下り、地を去ること一尺あまり、人が持っているかのように、鳴り、揺れながら去り、しばらくすると聞こえなくなった。牛は言った。「女の悪鬼を追捕させているのだ。」四鼓になると、鐸の音が南から来、まもなく門に入った。座客は氷雪を負っているかのように、毛髪がすべて逆立った。牛はそこで一榻をとり、案(つくえ)に望んで坐し、質しているかのようであった。かれは尋ねた。「おまえは夫を謀殺しようとしたのだから、死ぬのはほんとうに当然で、棄市されなかっただけでも、たいへんな幸いだ。これ以上祟りをなし、その家を騒がすことなどどうしてできよう。」まもなく、さらに言った。「従わないなら、わたしは帝に頼み、おまえを石室に閉じ込めよう。冠珥袿襦の類がほしいだけなら、明日おまえにやろう。」そして戒め、去らせた。翌日、所望するもの及び紙銭数十万を調え、城外で焚き、女の悪鬼はそれから来ず、牛も後に所在が知れなくなった。林州[54]の推官崔迪は、その晩、牛とともに薛氏の館で飲み、このことを見た。

畢道人

畢水部[55]田[56]は、潭州[57]の人であった。季父[58]がいたが、幼くして酒を嗜み、仕事をしなかった。かつて江湖の間に遊び、弊褐[59]を着、扇を懐袖の中に持ち、沙(すな)数合を置いていた[60]。たまたまゆくところがあれば、地に敷物を置き、沙(すな)を取り、風雲、草木、蛟龍、禽獣の字を書き、扇で仰いでほとんど尽くすと、欣然として去った。かつて賈姓のものがおり、洞庭を過ぎ、岸を離れるとすぐに、暴風に吹かれ、溺れそうになった。突然、一人の男が岸を巡り、扇で招くと、舟はだんだん岸に迫り、免れた。賈はかれを徳とし、かれの容貌を記憶しておいた。そして舟を泊めて探すと、また見えなくなった。十日して、賈は長沙にゆくと、たまたま街でかれに会い、迎えて帰り、たのしく飲み、金帛衣物を出して謝した。畢は言った。「あなたの舟が沈むのを免れたのは、わたしの力ではございません。」固辞して受けなかった。しいると、衣服数件をとり、すぐに貧しいものに施し、一つもとどめるものはなかった。その後、所在が知れなくなった。李林宗秘校から聞いた。

段穀

段穀は、許州の人であった。いくたびも進士に挙げられ、家は財に富んでいた。後に突然狂うかのようになり、朝晩幘をかぶり、布袍と白銀の帯を着け、街中に遊びにゆき、謳吟して言った。「一間の茅屋、まだみずから修理し、風が吹くのに任せれば、簷ごと砕ける。斗栱[61]は傾き、まもなく倒れよう。（「倒れよう（倒也）」の二字にいたるたびに、三五句連呼してはじめてやめた。）牆壁は散じて一堆の土となり、主人はながく帰ってこない。」かれが出入りするのに遇えば、閭巷の子供数十人が従って和していた。人々は狂人として待遇し、おかしいと思わなかった。慶暦末年、病んで死に、野に仮安置した。数年後、葬儀を営み、開いてみると、空の棺にすぎなかった。王允成[62]承制[63]が許州でみずから見た。

方道士

方道士は、その名は不明であり、どこの人か分からず、涂陽[64]の西山に隠棲していた。磁州[65]に護国霊応公祠があり、毎年二三月、天下の神に仕えるものが四集し、奇禽異獣を献じ、巧工妙伎、珍肴異果、ないものはなかった。期日になると、隣郡の神に仕えるものは多く祠に集まり、遊覧宴集し、夏の初めに、村人がやめて去るにいたって帰った。方道士は来ない年はなく、つねに九蒸の黄菁を旧友に贈った[66]。ある年、突然来なくなったが、みな他の山に移り住んだと言ったり、物故したと思ったりした。翌年の春、城隍廟の神座の後ろに死人がおり、埃塵はあつくほとんど一寸あまりであった。官吏が調べて見ようとすると、突然衣を振るって起きたが、方道士であった。また人々とともにたのしく飲むこと一月あまりして去ったが、それから二度と来なかった。学究向知古が言った。

高閬

高閬は、蜀の人で、本姓は向、名は良であった。若くして郡を治める吏となったが、罪を償うことになり、亡命し、姓名を変えた。片目が眇であったが、神采高爽[67]で、詩をよくした。江湖の間に往来し、養生術を深く理解し、酒を飲めば数斗にいたっても乱れなかった。許郎中申[68]は江東転運使[69]となり、部下を引き連れるたびに、かならずかれを引いて同行させた。かつて舟を貴池亭[70]に泊めると、九華李山人というものがおり、高と旧交があり、目通りした。許は招き、酒を飲ませたところ、それぞれ二斗あまりを干したが、まったく酔態がなかった。高は釣竿を取り、李に言った。「それぞれ魚を釣り、談笑に資することにしよう。ただ、蟹は採れない。」そして餌を針にかけ、座前のレンガの罅の中に投じた。まもなく、李が一匹の蟹を引き出したので、高は笑って言った。「はじめに魚を釣ることを約したのに、今、蟹を採ったから、酒で罰することができる。」後に滁の琅琊山の僧寺で死んだ。臨終の時、玉笛を僧に授けて言った。「これは開元年間に寧王[71]が吹いたものだ。」真か嘘か知らないが、時にすでに百歳ちかかった。許申の孫聞海が言った。

孫鍇

孫鍇は、どこの人か分からない。祥符年間、かつて鎮州[72]西山の書院で読書していた。ある日、薬を採り、深山に迷い込むと、茅屋数間があり、道士が榻に寄って坐していた。孫が再拝して帰路を尋ねると、道士はかれを坐させ、じっくり見た。「貧相なお方だが、今、わたしに会った以上は、衣食を足りさせるべきだ。」その後、丹砂を与えたが、一塊の拳のようであった。さらに一合を授け、言った。「幽鬼を召せる。」符篆を教えると、言った。「今年、河朔では疫病が大流行するが、あなたはこの砂で符を書いて売れ。一つの符につき百銭だけをとり、超えてはならぬ。幽鬼を召す符は、一度だけ用いられるが、そもそもあなたの禍を救うもので、さらに用いれば霊力がなくなる。覚えておけ。」山を出ると、符を市で売り、ほんとうに病を癒やせた。鍇は一頭の牛を買って乗り、鉄冠を戴き、絳服を着、流転して大名府にいった。時に太尉王公嗣宗[73]は魏[74]を守っており、捕らえて獄に繋ぎ、怪誕によって人々を惑わしたことにより、黥配[75]にしようとした。鍇は獄官に言った。「鍇(わたし)は妖術をなすものでなく、時折神にあい、教えられているだけでございます。隙を見て申してください。鍇(わたし)は人に幽鬼及びその祖先を見させられますと。」王はそれを聞くと、言った。「昔、劉根はこの術を知っていた。」縛めを解いて試みるように命じたところ、ほんとうにそうであった。そこで闕下(みやこ)におくり、司天監[76]保章正[77]に補せられ、もっぱら符禁[78]のことを司った。後に砂は尽き、術は弱まり、逃げ去った。宝元年間、天下に詔して捕らえさせたことがあった。

楊貫

楊貫は、開封府寧陵県の人であった。かつて二度進士に挙げられたが、薦送に預からなかったので[79]、すぐ明法[80]にあらためた。人が笑うと、言った。「わたしは法令を暗誦しているから、仕官できれば、公務に精通していよう。」ある晩、夢みると五色の光が西南から来、寝室に入った。光の中に一人の道士がおり、貫を怒鳴って起きさせ、言った。「おまえは今まで三たび人となった。はじめは肉屋となった。次に人の娘となり、成人してみずから縊れた。今は士人になれている。おまえは、頭頂には笄を戴いた痕、頚には括った痕がまだあり、見ることができる。」貫は言った。「人の皮膚の模様はいろいろだ。肉屋や娘だったと騙すことはできない。」道士は言った。「違っていると思うのか。」そして懐から一つの鏡を取りだし、見させれば、刀を鳴らし、朱を施したありさまがはっきり示されていた。貫はすぐに再拝して謝し、さらに将来の吉凶を教えるようにこうた。道士は言った。「おまえは中年を過ぎれば、官位は知事にいたろう。」目ざめるとたいへん驚いた。翌年、明法出身を得た。治平[81]二年、邛州[82]の録事参軍に転任した。今、��州[83]の推官である呂昭吉は、当時司寇をしており、しばしばともに飲んだが、数爵[84]の後、頚の縄の痕はたいへんはっきりしていた。そのわけを尋ねると、貫はくわしく夢の顛末を語った。髪をざんばらにすると、円い五六寸の胝(たこ)が見え、窶数[85]のようであった。年は五十を越え、潞州潞城の県令を授かり、着任して終わった。

張酒酒

道士張酒酒は、その名は不明であり、どこの人か分からなかった。天聖年間、西都[86]張水県[87]の天禧観[88]を守っていった。磨きが上手で、鏡がかれの手を経れば、明るく輝き、他の匠は及べなかった。子供で鏡を持ち、直しにくるものがいたが、酔えば打ち割ったり、長さ三尺に延ばしたりした。子供が驚いて叫ぶと、笑って言った。「酔って戯れたのだ。」そして薬を取り、その上に塗り、ぼろぼろの毛氈で覆い、しばらく摩り拭くと、ふたたび澄明になるのであった。銭を得るとただ酒を買い、酔わない日はなかった。ある日、衣を振るい、王屋山[89]に入り、すぐに薬櫃山[90]中で屍解した。当初、村人が見ると、人が岩石の上に立っており、しばらくしても去らなかった。十日を経て見にゆくと、やはりいたので、村に知らせた。農夫が接近して観察すると、一人の道士が拱立してひとまず倒れそうになっていた。農夫は不吉だと思い、推したところ、倒れた。邑尉[91]が調べて見ると、頭頂に一つの竅(あな)があり、鶏卵ほどの大きさで、まったく血痕がなく、面色は生きているかのようであった。尉は農夫が推し倒したことを聞くと、鞭うった。すぐに屍解した地に埋葬した。

最終更新日:2012年8月9日

括異志

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