醒世姻縁伝

【解説】西周生なる人物によって書かれた章回小説。西周生は『聊斎志異』の著者蒲松齢であるとする説がある。金持ちのどら息子晁大舎が死んで狄希陳に、晁大舎に射殺された狐が狄希陳の妻薛素姐に、晁大舎に冷遇されて自殺した正妻の計氏が狄希陳の妾童寄姐に、晁大舎を唆して計氏を死に追いやった妾珍哥が童寄姐の下女小珍珠に転生し、薛素姐は狄希陳を、童寄姐は小珍珠をいびることによって、前世での借りを返すというのが主要なあらすじ。松枝茂夫氏は「醒世姻縁伝の話」(白日書院刊「中国の小説」所収)の中で、「小説中の人物には殆ど一人として愛すべき人物、尊敬に値する人物は見当らない」と述べているが、幾分誇張された、魑魅魍魎のような登場人物たちが、汚らわしい俗語を駆使しながら、時に血なまぐさく、時にスカトロジックな事件を延々と繰り広げていくさまが、独特の皮肉に満ちた口調で語られるこの小説は、人をして救いようのない陰惨な気分にさせる。人民中国になってからの排印本には、1981年の、黄粛秋校注本があり、優れているが、一部刪節があるため、訳注をほどこすに際しては、同治9年刊本なども参考にした。

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最終更新日:2010118

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